カテゴリホビー、カルチャー美術品絵画日本画花鳥、鳥獣状態やや傷や汚れあり（詳細）
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【真作】渡邊華山「初秋花鳥図」肉筆 紙本 着色 晩年作 崋山会小澤氏鑑定箱 ◆美麗金襴表装 二重箱 印譜比較等詳細画像有◆y613

【本作品について】

１．本作品は、渡邊崋山が着色で描いた初秋の花鳥図です。
開花したハギ（萩）の枝にとまるノビタキのオスです。夏に日本で過ごす渡り鳥のノビタキの直立した立姿は、男らしく壮観に胸を張る姿勢が良ろしく、あたかも男子の雄姿に倣う題材とされています。また、秋の七草の代表格のハギは縁起が良い蝶形花です。以って本品描かれしハギとノビタキいずれも初秋の吉祥画であるわけです。

２．さて．崋山のデッサン力と描写力は、丹念な観察の努力により養われしこと、実物のハギとノビタキとの照合で、花や枝ぶりから姿形の特徴が巧みな筆遣いで顕現されしこと見逃せません（掲出比較画像参照）。

３．本作品の落款、くずし草書体「登」は筆癖が特徴的でよく知られておりますが、その下には「崋山」二字白文長方印が捺されております。「定本渡邊崋山」第三巻所載印譜集との比較で比定一致を確認致しました（掲出比較画像参照）。

４．また墨書落款「登」筆跡を日本書画鑑定大事典第1巻436～437頁所載の「渡邊崋山年齢別落款筆跡資料」との照合で、ご覧の通り44～46歳時の筆返しの特徴を有していることなどから、概ね没数年前の45歳前後の筆跡・筆致に見事に一致しております（掲出比較画像参照）。併して上記３と下記５の美術館品等との比較や、６の公定鑑定人小澤氏の鑑定箱も相俟り、蓋然性を十分担保し得ましたので真作保証致します。

５．崋山の花鳥図は美術書所載品や美術館に多いので、下記３点と比較を試みたところ、比較画像ご覧の通り、小鳥の姿形や筆致等の随所で共通一致のこと確認できました。

①　昭和16年東京美術青年会刊「渡辺崋山先生錦心図譜」上巻の151図「枯木叭々鳥」図。鳥種は異なれど姿形描写が一致のこと。②　右「渡辺崋山先生錦心図譜」上巻の127図も、鳥の姿形描写や枝ぶりの筆致等に共通性が認められしこと。
③　東京国立博物館所蔵の渡邊崋山筆「鳥図」扇面は、飛翔中の鳥なれども羽の一つ一つや尾切れ描写が共通せしこと。

６．桐箱は公式鑑定機関である公益財団法人崋山会・委嘱鑑定人の鑑定箱です。鑑定人は崋山研究者で崋山研究著書多数執筆なされし崋山会会長・小澤香風こと小澤耕一氏です。昭和61年夏に鑑定なされしことも記されております。なお崋山会は小澤氏没後の平成期からは、後続の専門家がおらず鑑定業務を中止なされていますので、今や再度入手不能の貴重な鑑定箱と相成りました。

７．本作品の表具は、まことに美麗な金襴紋様の裂地。作品の風格に適う名表装でございます。

①　天地と両柱は、鶯茶いろ（うぐいすちゃいろ）色系の細絹糸の緻密織りの地裂に、渋い黄金（こがね）色の金襴糸で大柄二種類の団花紋を菱格枠に収め、それらの狭間に小柄な団花紋を格子格が共に散りばめられ、恰もイスラム無限紋様を想起します。本作品が、その粋で見事な金襴裂の煌めきに包まれ、吉祥をいざなう雰囲気が醸し出されております。煌めき具合の錦風の美麗さからして、京は皇室御用達格の名表具裂かと存じます。
②　両柱の縁には、発色の良い金襴気味の木蘭色（もくらんじき）に鳥の子（とりのこ）色の筋線紋様の裂地による幅広の筋廻しが設えられ、色合わせも見事にて本横幅を引き締めております。
③　軸先は、ご覧の通り最上質の牙製軸のこと、先端を見ればカーブ模様が牙年輪あらしゃりますことで知れましょう。そして時代を経たセピア色の艶光りには貫禄までございます。
④　鑑定箱の時代箱には二重箱も備わっており、それに収めたままお届け致します。

８．　コンデイションは、時代品なれば小オレ致し方なくも、総じて大切に保管保存の形跡が窺われます。一箇所補修痕ございます。以上の通りですので、このままのお披露目で充分に展覧映え致します。



【略歴】
渡辺崋山　わたなべかざん　1793〜1841 br<>江戸後期の蘭学者・南画家
通称登。三河（愛知県）田原藩家老。小禄の家に生まれ，弟妹たちと離散するほどの貧困な生活を送ったが，のち佐藤一斎らに儒学を，谷文晁に南画を学んだ。田原藩の江戸詰家老となり，高野長英・小関三英らと尚歯 (しようし) 会を組織し蘭学・西洋事情を研究。1837年のモリソン号事件で『慎機論』を著して幕府の措置を批判し，蛮社の獄で永蟄居を命じられ，２年後自殺した。画家としては，西洋画法をとり入れた写生画家として有名で，代表作に『鷹見泉石像』などがある。


小澤 耕一おざわ こういち号・香風
明治43年（1910）5月29日、愛知県渥美郡田原町に生まれる。昭和4年、愛知県岡崎師範学校本科ニ部卒業。田原町文化財保護審議会長、財団法人崋山会理事＆会長。主な著書に『崋山渡邉登』（改訂8版、平成6年、崋山会）、『崋山書簡集』（昭和57年、図書刊行会）、『少年物語渡邉崋山』（6版、昭和63年、田原町教育委員会）主な共著に『田原町史』（昭和53年、田原町）、『渡邉崋山』<日本美術絵画全集24>（昭和55年、集英社）、『定本渡邉崋山』全3巻（平成3年、郷土出版社）、『田原藩日記』翻刻版全10巻（平成9年、田原町教育委員会）


【内容】

肉筆 紙本 着色 晩年作 崋山会小澤氏鑑定箱
全体：89 x 54 ㎝ / 本紙：30 x 37.8 ㎝


【状態】

小折れ
※くれぐれも画像にて詳細をご確認頂き
　ご納得された上でご入札頂きますよう宜しくお願い申し上げます



【発送について】

ゆうパックの【送料着払便】にて送付いたします

※元払発送による過剰な送料請求を避けるため、送料は着払でお願いしています 。

※落札価格が1点で50万円（税抜）を超える場合、御礼の気持も含めまして送料を≪日本全国完全無料≫とさせて頂きます （160サイズ以下での発送に限る）。


【絵画の出品に関するルール】

【真作】
本物であると断定できる作品

【模写】
・わずかでも真作ではないと疑いのある作品
・作者不明の作品
・所定の鑑定機関の無い作品
・当方で判断出来ない場合も含まれます
→上記および「真作」と明記していないものは全て模写といたします


商品タイトルや商品説明に【真作】と明記のある作品につきまして
公定鑑定人、あるいは公定鑑定機関で、真作でないという判断がなされた場合は
下記に基づき落札代金を返済の上、返品に応じます
（但し、画廊等・美術商・第三者・自称目利きの方などの非正規鑑定は保証対象外と致します）

商品タイトルや商品説明に真作とあるものについて
鑑定を行う場合は、商品落札日から5日間の間に鑑定する旨をご連絡ください
5日間の間にご連絡の無い場合は保証対象外となりますので特にご注意ください

ご連絡頂いた商品については
鑑定に要する日数及び保証期間の日数を
最長60日間までとさせて頂きます
その場合、所定鑑定人など責任ある専門鑑定機関の鑑定書か鑑定領収書をご提出下さい

※鑑定費用、交通費、諸経費（振込手数料・送料・返品時送料等など）につきましては
落札者様ご自身のご負担になりますのでご了承下さい

尚、ご返品頂いた作品の状態を確認致しました後に、落札代金をご返金させて頂きます
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オークションの性質上、誤入札の取り消し・キャンセル・返品は一切お受け致しかねます

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・商品やお取引に関してご不明な点がありましたらお気軽にご質問ください

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・トラブルを避ける為、質問がございましたら 必ず入札前にお願い致します

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